親知らず

親知らずは一番奥の奥歯よりも奥に生えてくる歯のことを言います。
親知らずは不要な歯ですが、一概にすべて抜いたほうがいいわけではありません。

親知らずを抜いたほうがいい場合

親知らずは抜いたほうがいいと思われがちですが、抜いた保がいい場合と抜かないほうがいい場合があります。

親知らずが少しだけ露出している

しっかり生えているのではなく、一部分だけ親知らずが露出している場合は虫歯や歯周病を引き起こします。

親知らずが歯並びを悪くしている

親知らずは手前の歯を押して、歯並びを悪くしている場合は口全体に親知らずが悪影響を及ぼします。

噛んだ時に歯茎に親知らずが当たる

人の歯は上下の歯が噛み合うようにできていますが、親知らずには下だけ生えたり、上だけ生えたりするので噛み合わずに歯茎や頬の粘膜を傷つけていることがあります。

親知らずが虫歯や歯周病になっている

親知らずは歯ブラシで磨きにくいので、虫歯や歯周病になりやすい歯です。
きちんと生えた親知らずであっても虫歯や歯周病になっているなら抜いたほうがいいでしょう。

親知らずを抜かなくてもいい場合

親知らずだからといって何でもかんでも抜いたほうがいいというわけではありません。
親知らずを残しておくと他の葉が抜けたときなどに再利用できる場合があります。

上下ともにしっかりと親知らずが生えている

上下ともにしっかりと親知らずが生えていて、しっかりと噛み合っている場合は抜く必要はありません。

完全に骨に埋まっている

他の歯に当たっていなかったり、歯茎から全く露出していない親知らずも基本的に抜く必要はありません。

矯正治療で親知らずを良い位置に動かせる

親知らずの生えている位置によりますが矯正治療で正しい位置に動かすことができる場合があります。
生え方によるので当院で相談してください。

親知らずを抜いた後の症状

親知らずを抜くと強い痛みがあるというイメージがありますが、手術中は麻酔を使うのでほとんど痛みを感じることはありません。
問題は手術後のズキズキとした痛みです。

腫れ

親知らずを抜いた後、12時間程度はどんどん腫れていき、24時間から36時間程度でピークに腫れます。
腫れは7~10日程度でなくなります。

痛み

手術の際に使った麻酔は術後30分から1時間程度で切れるので、その後痛みがあります。
痛みがなくなるのは7~10日程度かかります。

口が開きにくくなる

炎症が口を開けるための筋肉にまで及ぶので口が少ししか開かなくなります。

出血

術後1~2日は唾液の中に血が混ざります。

内出血

全員ではありませんが、内出血が起こる場合があります。
青紫色になりますが、2週間程度でなくなります。

しびれ

舌などにしびれが起こることがあります。
しびれに生じた味覚障害が起こることもありますが、数日で収まります。

鼻から空気や水が漏れる

親知らずを抜いた穴と鼻の穴が繋がる場合があります。
その場合、鼻から空気や水が漏れる場合があります。
穴がふさがったら治ります。

ドライソケット

抜歯後は親知らずを抜いた穴ができます。
そこに血が溜まって徐々に治るのですが、溜まった血がなにかの拍子に取れてしまう(20人に1人くらい起こります)と強い痛みがでてきます。このことをドライソケットといいます。
ドライソケットになってしまうと痛みが長引きますので、そうならないために当院では手術後もしっかりと指導しております。
ドライソケットになってしまうと治るまでに10~14日程度かかります。

抜歯後の痛みと抜歯にかかる時間は比例する

骨に大きく埋まっている場合など、抜歯手術にかかる時間が長ければ長いほど術後の痛みも強くなる傾向があります。

親知らずが完治するまでの注意事項

傷口自体は1週間程度で治りますが、その後に抜歯を行います。
抜歯後、歯肉が治るまでは一ヶ月、内部の骨が完全に治るまでは3ヶ月程度かかります。

食事

食事は手術が終ってから3時間は空けてください。
口の中の手術を行いますので普通の食事はせず、お粥や豆腐、スープ、ヨーグルト、ゼリーなどの流動食や半固形食を食べましょう。
ミキサーがあると食事の種類は非常に広がります。
その後、傷の治りとともに少しづつ固いものを食べれるようになります。

飲酒・運動・入浴

飲酒・運動・入浴は血圧が上昇して、傷口が開く場合がありますので、手術後や抜歯後は絶対に行ってはいけません。
入浴に関してはぬるめのシャワーを浴びる程度ならOKです。

歯磨き

手術後や抜歯後は歯磨きをせずにうがいのみ行ってください。
うがいも出血しないように軽く行います。
翌日からは歯磨きをしても大丈夫ですが、傷口は1週間程度避けてください。

親知らずを抜くを顔が小さくなる?

親知らずを抜くと顔が小さくなるという場合もあります。

下の親知らずの周囲の骨が痩せる

下の歯の親知らずの場合、エラの位置に生えていますので抜歯すると若干ではありますがほっそりする可能性があります。

顎の筋肉が痩せる

今までしっかりと噛んでいた親知らずを抜いた場合は、その部分を噛むために使っていた筋肉が使われなくなって若干小顔になる場合があります。
どちらの場合も影響は微々たるものですので小顔効果は期待しないほうが良いでしょう。

診療予約