PMTC

PMTCとは
P＝Professional＝歯科医師・歯科衛生士
M＝Mechanical＝機械的
T＝tooth＝歯
C＝Cleaning＝清掃
の略です。簡単にいえば歯医者による歯の掃除ということになります。
自分自身でのデンタルケアと違い、様々な器具やフッ素入りのペーストを使った本格的な歯の掃除になります。
スウェーデンの研究結果ですが、PTMCを定期的に受けたグループと受けなかったグループを比較すると受けなかったグループは70倍も虫歯なったそうです。
PTMCは歯についた汚れをほぼ完璧に落とすことができるので虫歯を予防する効果が高いのです。

なぜPMTCが必要なのか

PMTCをすることによって虫歯や歯周病になる可能性を劇的に減らすことができるからです。
歯周病になると食べ物が噛みにくくなるという以外にも様々な病気を引き起こす原因になります。

動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞

動脈硬化や心筋梗塞は、不適切食事や運動不足、ストレスなどが原因であることは有名ですが、他の原因として歯周病原因菌が引き起こすこともわかってきました。
歯周病原因菌が血管を刺激し、動脈硬化を引き起こす物質がでて、血液の通り道が狭くなります。
歯周病の人はそうでない人に比べて、2.8倍も脳梗塞になりやすいという研究結果もあります。
メタボリックシンドロームの方は動脈硬化を防ぐためにも歯周病の予防治療のためのPTMCはより重要となります。

糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症の一つですが、最近の研究で歯周病になると糖尿病が悪化するという逆の因果関係も証明されてきました。
歯周病と糖尿病は悪影響を及ぼし合っているだけではなく、歯周病が治ると糖尿病も改善するということがわかってきています。

血糖値が上がる

歯周病になると歯周病細菌が血液内に入ります。
歯周病細菌自体は白血球の働きで死滅しますが、歯周病細菌の死骸が毒素をもっており血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを邪魔してしまうのです。
歯周病が改善すると、血糖値のコントロール値を示すHbA1cの値が改善することがわかっています。

早産・低体重児早産

歯周病担っている場合、早産及び低体重児の危険性がそうでない場合に比べて7倍になる研究結果があります。
これは飲酒や喫煙、高齢出産で生じる早産リスクよりもはるかに高い数値です。
歯周病細菌が口の中から血管に入り、胎盤を通して直接感染するためにリスクが高くなると考えられています。
生まれてくる赤ちゃんのためにもPTMCによる歯周病予防をおすすめします。

肺炎

肺には咳をすることで細菌などの異物が入らないようにしています。
しかし高齢になってくるとむせたりして、口の中の細菌が肺に入りやすくなります。
その時に歯周病細菌が入ってしまうと、肺炎になる可能性が高くなりますので、肺炎予防にも歯周病治療が大事です。
歯磨きとフロスだけでは歯周病を予防することはできません。それはバイオフィルムがあるからです。

バイオフィルムをPMTCで除去する

バイオフィルムとは、簡単に言えば歯磨きとフロスだけでは除去できない強力な汚れのことです。
バイオフィルムを除去するために、歯科で定期的にPMTCを受ける必要があります。
PMTCはバイオフィルムや歯石を除去するだけでなく、歯の着色も取れるので歯の自然な白さが戻ります。
また歯がとてもツルツルになるので口の中が爽快になります。
また口臭の予防にもなります。

その他のPMTCのメリット

歯の審美性を高められる

PMTCは歯のくすみもキレイにすることができ、着色や落ちにくい汚れも落とすことができます。
ホワイトニングのように白くはなりませんが、歯本来の白さを取り戻すことができます。

矯正中や入れ歯を入れている人でもきれいになる

矯正中で細かいところまで歯が磨けない場合や、入れ歯の隙間などで汚れが溜まりやすい箇所もPTMCならきれいにすることができます。

PMTCの流れ

PMTCは以下のような流れで、1時間弱かかります。

PMTCの最適な頻度

最適なPMTCの頻度は、歯磨きの仕方や歯並び、着色しやすい飲食物の摂取の頻度などにも左右されるので一概には言えませんが基本的には半年に一度行うことがおすすめです。
当院でご相談の上、自分の適した頻度で行いましょう。

PMTCは保険診療外

基本的にPMTCは保険が効きません。
そのため5000円～数万円程度の費用がかかります。
またPMTCを行う前には歯石を除去する必要がある場合もありますので、その場合は3500円程度のプラスになります（歯石除去は保険が適用されます）。